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168-参-総務委員会-2号 平成19年10月23日

○加賀谷健君 民主党の加賀谷健でございます。
私はこの七月に初当選をさせていただきまして、今日発言のチャンスをいただきました。実は私、今日、誕生日でございまして、こういう記念の日にチャンスを与えてくれた同僚議員に心から感謝申し上げたい、こう思うわけでございます。
それではまず最初に、三位一体改革について、先ほど私どもの内藤筆頭理事の方からも質問がありましたけれども、増田大臣、県知事を経験をされている大変貴重な大臣でございますので、是非、大臣の所見をもう一度お伺いをしたい、こう思うわけでございます。
大臣が岩手県の知事を終えて、総務大臣に就任する前に発表されたものだと思いますけれども、「地方財務」の二〇〇七年八月号に以下のようなことの論文が載っております。これは大変私は興味深いと思いましたので、少し読ませていただいて、これに対する知事の考えをお聞かせを願えればと思います。
この中で知事は、平成十四年ごろから議論が始まった三位一体改革は、平成十八年度でいったん幕引きとなったと。足掛け五年間にわたって繰り広げられた国と地方の攻防の結果に対し、地方側には、あんなに頑張ったのに地方の主張が通せなかったという虚脱感と無力感、あるいは、こんな三位一体改革ならばやらない方がよかったという失望感があり、一方で、霞が関や永田町では、三位一体改革はこれで終わったという奇妙な安堵感が漂っている。しかし、このままで終わったら、これは何のための改革だったのかということになりかねないし、さきに述べたように、我が国の将来はないと言っても過言ではない、これは増田大臣の言葉であり、書いていたわけでありますけれども。
今、安倍政権以降、知事から中央政府に入って総務大臣になられたわけでありますけれども、これに対する考え、あったらお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) 三位一体改革についての認識を問われているわけでありますが、これは三位一体改革が目指した考え方、特に地方団体に税源を移譲していくんだと、ここは大変画期的なことでありましたし、それまで税源移譲ということは全く国と地方の間でも議論の俎上にのりませんでしたので、大いに意味があったというふうに思います。額は余り大きくありませんでしたが、三兆円ということですけれども、それが地方に移譲されたというそのこと自体については、私もあちこちでその一般財源化の実現については一定の評価をしていると、こういうことでございます。
ただ、先ほど申し上げましたように、同じく三位一体改革の中で重要な目的として行われました補助金改革、これについては国の負担率の単なる引下げといったような形で、二分の一それまで国が負担していたものが三分の一になるといったようなものもございましたけれども、そうしたものですと、その補助金の基準自体が全く同じように残ってしまいますので、こういったものは非常に地方団体から見ましても失望感の高いものでございましたので、先ほど委員の方から引用いただきましたものにも、そういった多くの地方団体の思いというものを率直に私の方も書かせていただいたところであります。
また、あわせて、地方団体として大変やっぱり切なかったのは、この間、交付税が、十六年から十八年にかけまして地方交付税が数字として約五・一兆引き下げられたと。これは歳出削減をいろいろな面でしていかなければならないという中で、その歳出削減をしていくということ自体について私も異を唱えるものではありませんが、やはり額としては大変大きいものがございまして、特に初年度が、十六年度は二・九兆だったかと思いますけれども、そうした交付税の削減ということがございました。したがいまして、いまだに多くの地方団体が財政運営に大変四苦八苦してございますけれども、こういったところがやはり大きな問題だというふうに思っておりました。
したがいまして、ここで書いてございますように、三位一体改革についてのいろいろな意味で地方団体からの無力感のようなものが現実にはあるわけでありますが、ただ、このままで終わってしまったらやはりいかにも中途半端ということで、何のための改革だったかということになりかねませんので、この三位一体改革が目指しておりました地方の財政ですね、財政改革ということで、地方の財政の自由度を高めるという、このことに向けて、やはり分権の問題を考えていく上でこの点を今後しっかりと道筋を付けていかなければならないと、このように考えているところであります。
○加賀谷健君 今大臣の答弁のように、正に地方は、この改革は何だったんだろうか、こういう感覚に陥っているのではないか、こんな気がしてならないわけでございます。大臣が言っているように、こんな三位一体改革ならばやらなきゃよかった、正にそういう感が地方の中にはあるのではないかなと、こんなふうに思っているわけでございます。
そしてまた、大臣が言っているように、霞が関や永田町は、これでもう終わってしまったんだ、何か安堵感があるという。今正に大臣はその場にいるわけですから、本当にこういうことであるのか、もう少し感じている部分があったら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) この特に補助金ですね、補助金については大変やはり私は地方の自由度を制限するものだと、こういうふうに思っているわけでありますが、この補助金改革というのは正直なかなか進みません。本数も大変多いですし、先般まで私が務めておりました地方分権改革推進委員会の中でも、こうした補助金についてもう一度やっぱり見直しをしていかなければならないんではないか、こういう問題意識を委員の中で議論をしていたところでございます。その前提となるのが、国と地方のやはり役割をしっかりと、今後の社会の中での国と地方の役割というものを見直しをするということが大事になってきますので、それを踏まえた上で今言いましたような税財源を議論していけば、やはり地方の一般財源を増やしていくというのが、これは総務省としても従来からの方向でございますし、そうしたことをする上で補助金をできるだけ少なくしていく、本数も少なくしていくと、そういったことが必要ではないかというふうに思っております。
これは、これからの地方分権一括法を三年以内に作るということになっておりますが、その過程の中で分権委員会からも私どもの方にいろいろな勧告が今後出てくるだろうというふうに思いますが、そうした分権委員会の御意見も踏まえながら、私どもでも、こういった中央省庁がやっぱり今までの経緯見てもいろいろと意見を異にしてきたわけでありますが、そこをどういうふうに改革していくかということを私どもなりにいろいろ戦略を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
○加賀谷健君 私も正にそうだと思っています。
この改革、結果していいますと、先ほど大臣も言われておりますとおり、国庫補助金が四兆七千億削減がされた、そして地方交付税を五・一兆円減らした、財源移譲として三兆円地方に移譲した。これは大臣の言うとおり、地方にとっては大変有り難いことなのかもしれませんけれど、結果して、国の財源を確保するための三位一体改革ではなかったのか、こんな気がしているわけでありまして、地方というのは正に今そういう面では大変厳しい状況にある。地方を切り捨てて国の財源を確保したということにほかならないのではないかというふうに思っておりますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) 地方でやはり仕事をしていましたときに、こうした地方交付税が大分減らされたということ、大変つらい思いを正直なところいたしました。補助金についても、税源移譲と基本的には交換されまして、三兆円の補助金を替えて、ただし中身は補助率の切下げというのが多かったんですが、それに対して税源移譲なされたということですが、別途、そのときの説明ではやはり補助金等についてのスリム化ということで、結果としては、積み上げますと四・七兆ほど補助金が減ったということもあって、地方財政を運営する上では大変やっぱりつらい思いをしたというのが正直なところであります。これは、全国知事会あるいは全国市長会、町村会、いずれも同じような認識をしておりますし、多くの自治体がやはりそうとらえていたんだろうと思います。
ただ、こういった中でいろいろ歳出を一方で削減するということ全体には、やはり地方団体としてもいろいろ考えて無駄を切り詰めるといったようなことは必要でありますので、この歳出をいろいろとこれから削減していくという中で、本当に地方団体の自由度と、それから責任が生ずるような、そういう在り方ということを今後考えていかなければならないと、それが正に私の役目であるというふうに考えているところであります。
○加賀谷健君 正に大臣が言われているように、私もこの改革は、本当に地方でやれることは地方でやるというこの分権、財源と権限を地方に移していく、このことがこの三位一体改革の主たる目的ではなかったかと思うんですけれども、どうも違ってしまった。実際には業務や権限というのは地方に移っていない。財政面の部分でいえば、国の財政再建を図るために、地方交付税改革の名の下に、地方交付税の大幅な減額あるいは地方固有の財源を吸い上げた、地方の財政を苦しめたような結果になったんではないかと、こんなふうに思っているわけでございます。三位一体改革は、正に地方が自立できる、地方が地方の権限でできるような、そういうことを目指したのだろうと思います。
私は、この三位一体改革というのは、どうも大臣の話を聞いておりましても、あの論文から見ても、ちょっと違っていたのではないかなと、そう理解をしていいのではないかと思います。正に、結論でいえば、三位一体改革はでき得なかった、失敗ではないか。政府はこの辺についてどう思うのか。また、是非大臣のこの辺の、まあ立場上そうは言えないと思いますけれども、この辺の感想をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) この三位一体改革でありますけれども、私は、中で、中でといいますか、知事会の中でいろいろ議論をしていく中で、やはり二つのことを思っておりました。ねらっている地方の財政の自由度を高めるというこの考え方は決して間違ってはありませんし、それから、方々で私も、それから知事会なども、あるいは市長会、町村会も言っておりますが、三兆円の税源移譲なされたと、そのことについては、やはり分権に向けて、従来の国と地方の関係を考えますと画期的でもありましたし、分権に向けて一歩踏み出すもの。ですから、そういうことを含めて、三位一体改革の考え方、それから成果というものも十分認識をしておかなければならないと。
ただ一方で、もちろん先ほど来私が申し上げましたように、現実の財政運営についていろいろ厳しい状況が生じてきている。これは、交付税等の全体の額等の問題もございます。そうしたことが現実には起きてしまっているということが実際でございます。ですから、そのことが三位一体改革に対しての自治体にいろいろ失望感を惹起しているわけでございましたので、そういったことを今後の行政の中で重く受け止めて私はいきたいというふうに思うわけです。
それから、あともう一つは、なかなか、地方団体の考え方ですとか、それから国の考え方というのが、やっぱり国民の皆さん方に三位一体改革の改革を行うときに分かりづらかった。それで、地方団体に対してのいろいろな国民の理解というのも必ずしも十分でなかったと。これは、中でのいろいろ反省材料としていつも語られているんですが、どうしても国と地方のお金の奪い合いですとか権限の取り合いという中で出てきてしまってきていて、必ずしも十分に国民に理解されていただけるようなものとならなかった。これは大変大きな知事会なり地方団体の反省材料だというふうに思っておりました。
ですから、本当に国民のためになるということを十分御理解いただければ、もっと国民の皆さんからも支持されて、そして中央省庁の皆さん方との議論ももう少し違う展開もあり得たのかなというふうにも思っておりますので、こうしたことを進めていく上でやはり自治体が財政の自由度を持つということ、そして併せて責任もきちんと果たしていくということは、究極的には国民の生活を豊かにする、あるいは国民を豊かにするものだということについて、もっと常日ごろから御理解いただけるような、そういう行動をこれからもやはりしていくということ、これはまあ分権の理念そのものにかかわってくる話でありますが、このことが大変重要だというふうに改めて思っているところでございます。
○加賀谷健君 私も正にそうだと思います。是非、地方が本当に生き生きとする、地方が活性化をする地方分権、これは正に大臣は現場で感じてきたわけでございますんで、早急にそういう政策を打ち出すことを私は大いに期待をしている一人でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
それでは次に、地方財政の格差是正、先ほども地方税の問題、法人二税に関するいろいろな問題が出ておりました。特に、最近、財務省あるいは総務省が格差是正と称して、それぞれ法人二税の再配分、この問題について問題提起をされているわけでございます。地方交付税の原資を法人二税から地方消費税に替える、いわゆるスワップする案を総務省が出しているというふうに聞いておりますし、財務省も、同じような考えではないんですけれども、この再配分という問題を出しております。それぞれの省の考え方をお教えいただければ有り難いんですが。
○委員長(高嶋良充君) じゃ、まず総務大臣。
○国務大臣(増田寛也君) この法人二税の問題あるいは税源の偏在の問題でありますが、これについては、やはり地方法人二税が、特に今税収が急速に回復をしてまいりますとその偏在度がよりはっきりと現れてくると、こういうことがございますので、こういったことが財政力の差の拡大につながってまいりますので、これを是正しなければいけないというのは、これはだれしもやはり考えなければいけない点だというふうに思っております。
その具体的な案については様々な案があるなというふうに思っておりまして、私どもはやはり、そういった中で偏在度の少ない税制を中心に考えていくということになりますと、やはり地方消費税が一番偏在度が少のうございますので、そうした地方消費税の充実と併せて今言いましたような法人課税の在り方を考えていくと、これが基本的な考え方ではないかというふうに思っております。
これからまだまだ議論の余地があるなというふうに思っておりますが、いずれにしても、税体系全体の中で偏在を是正するというそのことを基本にしてこの問題を考えていきたいと、こういうふうに思います。
○副大臣(森山裕君) 加賀谷議員さん、お誕生日おめでとうございます。
法人二税の問題でございますが、総務省として、法人二税の配分、再配分について具体的な案を示しているということではありません。先ほど総務大臣もお答えになりましたとおり、基本方針二〇〇七におきまして、地方団体間での財政力格差があることを踏まえて、地方税の偏在是正策を検討する旨の方針が示されておりますので、この方針に沿って今後具体的な方策等について更に検討を進めていく必要があると思っております。
いずれにいたしましても、基本方針に示されている方針に沿って、今後総務省ともよく相談をしつつ、格差の是正の具体的な方針について検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○加賀谷健君 そうすると、財務省で、巷間言われているような見直しの案というのはないということというふうに理解していいんですか。
○副大臣(森山裕君) 具体的な案を示しているわけではありませんが、ただ財務省としては、例えば偏在の最も大きい地方法人二税の配分を見直すなど、水平的な調整による対応を検討すべきではないかというふうに考えておりまして、先ほども申し上げましたとおり、更に深く検討をしていく必要があるという段階でございます。
○加賀谷健君 今日、総務大臣の方に、二十一世紀臨調の方から具体的に申入れがあったという新聞記事も載っておりますし、財務大臣も、それについては何とかしなければならないと、財務大臣、失礼しました、総務大臣も答えておりますけれども、私はこの問題について、いろいろな案が試算をされた結果が実はここにあるわけでありますけれども、この中で言っているように、実際には、これは実は一兆円というものを、要するに三大都県から地方の四十四の県に移した場合の例を試算をされているわけでありますけれども、あくまでも一兆円を分けるというような形でやって、法人二税を分けるという形でいきますと、人口比で割り振っても、実際には地方に下りるお金を引いても、国の方に一兆円をやりますと大体一千五百億から二千億ぐらいのお金が国に残ってしまう。あるいは、総務省が言っている原資をスワップする方法、入替えをする方法でもやはり一千億程度が国に残ってしまう。
これは、先ほど来、ちょっと税の問題で那谷屋さんの方からもお話がありましたように、この基準財政需要額と基準財政収入額、地方へ税が移ると、その分の七五%が基準財政収入額に算入をされてしまうということになると、交付税そのものが減ってしまうわけでありますから、税が移っても地方で使えるというのは二五%しかないということで、実質的にはその七五%分が国に残ってしまうという結果になるわけでありまして、これに対して、先日も松沢知事が総務大臣に物申すということで、今日の新聞にも出ておりましたけれども、断固反対、地方はそうだと。あるいはまた、ホームページでこんな言葉が出ていました、法人二税の見直しは毒まんじゅうだと。何かどっかで聞いた話ですけれども、五知事が反対を表明しているというふうな、こういうインターネットでも出ている。
こういうことが行われると、結局、地方に交付をしようということを言いながら、実質的には国に財源として残ってしまう。こういうことが試算をされているわけでございまして、これについては大臣も、こういうことは、このアピールに対して大臣が談話という形で出ておりますけれども、お金が地方に振り替わるだけなら意味はないと、そこは一工夫が要るよというようなことを記者会見で述べておりますけれども、こういう状況に対しての大臣の考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) 法人二税の取扱いなどについてどういうことをしていくのか。これは、偏在是正が必要だという認識は関係者持っておりますけれども、それを具体的にどうするかというのは正に今後の議論なんですけれども、私どもの考え方の基本は、やはり多くのところで上がってくる地方税について受益と負担の関係が分断されるようなやり方であっては困るというのが基本原則でありまして、こういう基本原則を踏まえた上でこの法人二税の偏在の是正あるいは地方税の偏在の是正を進めていきたいと。これはまだまだ政府部内で調整必要だというふうに思っておりますが、その受益と負担の関係を分断しないような方法を生み出さないとなかなか地方団体の理解は得られないと、こういうことで今後取り組みたいということであります。
そして、その上で、いずれにしても、御指摘いただきましたとおり、交付団体の方に地方税収入が増加しますと、今は、お話ございましたとおり、留保財源分を除いて普通交付税が減少するような仕組みになっているわけです。これをそのまま当てはめてしまえば、せっかく何のためにこうした税で偏在是正を行ったかという、こういうことになるわけでございますので、当然、こうした問題について何かの知恵を生み出さなければいけない。まず、税の仕組み等を決めていきたいというふうに思っておりますが、その上で、そうした普通交付税が減少するというそういうことですと、交付団体の財政状況の改善に全くつながりませんので、そこは一工夫をして、それで本来的な意味でそれぞれの交付団体が自主的な財源を使えるような、そういう工夫を行っていきたいというふうに考えております。
○委員長(高嶋良充君) 時間参っていますよ。いいですか。
○加賀谷健君 一言だけ。
○委員長(高嶋良充君) はい。
○加賀谷健君 正に大臣の言うとおり、せっかくやることが地方にとって良くならないということでは大変に問題があると思いますので、是非、今言われたように是正を検討をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
終わります。
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