私は平成10年9月の千葉議会で初めて里山の保全について質問をしてから今日まで取り組んで参りました。
 その成果として千葉県は平成15年の2月県議会で「里山の保全、整備及び活用の促進に関する条例」が成立し全国に先駆けて制定されました。
 以下取り組みについて報告します。


【県議会での質問】
平成16年6月定例会(第5日目) 2004.06.14
○加賀谷
 まず初めに、観光立県千葉の推進についてお伺いをいたします。
 県では、観光による経済の活性化を目指すため、自然の豊かさや農林水産業など、本県のすぐれた資源、首都圏にあるという優位性などを活用した観光施策の展開に向けて、県内のあらゆる分野の方々で構成をする観光立県ちば推進協議会を設立し、千葉県観光ビジョンを策定中であります。21世紀型の新産業の育成という視点から、大いに期待するものであります。ただ、観光は人と人との交流を基本とし、さまざまな分野の産業にかかわる総合的、複合的なテーマであるだけに、その振興は極めて難しいものがあると思います。それだけに、県がきっちりとリーダーシップを発揮し、各団体、機関、個人など関連するところのコーディネートを図り、目標達成に努める必要があると思います。
 過日、千葉県観光ビジョンの案が示され、今後パブリックコメントを経て9月には成案を策定するというスケジュールになっております。議会としても、超党派でこれを支援していくことにしていますが、私なりに感じている点について質問させていただきます。
 第1点は、観光地として目指すエリアはどこかという点です。
 将来像として、「住む人も、訪れる人も和み、元気になれる"花と海の故郷ちば"」とありますが、これはまさに南房総をイメージしていると思われます。確かにエンターテイメント活力波及プロジェクトの項目では都市地域のことも述べているように感じますが、都市地域をどのようにするのか、いまいちはっきりしていません。
 そこでお伺いします。県内をブロック分けし、ある程度目指す方向性を打ち出したらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
 第2点は、ホスピタリティーの向上策です。
 観光を振興する上で、ホスピタリティーの向上はリピーターの確保、地域イメージのアップに欠かせないもので、観光関係者のみならず、地域全体で取り組む機運を盛り上げていただきたいと思います。ただ、千葉県では、さわやかハート運動を平成元年ごろから進めていたと思いますが、ビジョンに掲げるホスピタリティー向上プロジェクトは、さわやかハート運動とどう違うのかお伺いをします。
 次に、グリーン・ブルーツーリズムについて伺います。  最近では、野や山での屋外体験を通じ、家族の触れ合い、職場仲間のコミュニケーションの増進、地域コミュニティーの醸成などを図る人々がどんどんふえています。私も、多くの仲間たちと長南町にあります休耕谷津田を開墾して稲作づくりをしておりますが、自分たちでつくり上げる米のうまさ、それでつくった酒のおいしさ、流す汗の爽快さに満足して、さらに地域の人たちとも大いに触れ合いを深めているところであります。県でも、平成15年に大地と海のグリーン・ブルーツーリズムinちば推進方針をまとめ、徐々にではありますが、グリーン・ブルーツーリズムの動きを進めています。国の構造改革特区認定事業の中にも農業を主体としたものがたくさんあります。全国の自治体が農業を都市地域との交流に生かし、地域の活性化に結びつけようとする期待の大きさを物語っているものだと思います。
 千葉県は首都圏にあり、粗生産額第2位の農業、とりわけ谷津田や里山などの自然景観豊かな観光農業基盤や酪農発祥の地に名立たる畜産業、三方を海に囲まれた立地を生かした全国屈指の水産業など、都市の人が感動するグラウンドが豊富に残っています。すっと足を伸ばせば自然が体験できる、手の届く範囲にあるはずです。この立地性をもっと生かしたグリーン・ブルーツーリズムの推進を強力に展開すべきだと思います。
 そこで何点かお伺いします。
 農業、水産業、酪農が1つの観光資源として自立していくためには、グリーン・ブルーツーリズムがビジネスとして確立されなければならないと思いますが、県としてどのような支援策を考えているのかお伺いいたします。
 2点目として、里山条例が制定され、多くの地域で里山活動協定が締結されております。この里山活動等に県外から参加する多くの人たちが、魅力のある千葉県産品を買って帰るシステムを確立しなければならないと思います。具体策をお伺いします。  3点目として、県の発行した農林・漁業体験施設一覧表を見ますと、観光農園や観光牧場が多く、みずからが参加をする体験型が少ないような気がいたします。グリーン・ブルーツーリズムのイメージは、みずからが田植えから稲刈り、搾乳からバターをつくる、植林から間伐、そして製材などを年間または期間を通じて体験することができる参加型の観光ではないかと思います。参加型観光として農林業、漁業の体験などをどのように推進していくのかお伺いをいたします。
 観光立県テーマの最後に、有料道路の無料化について知事の姿勢をお伺いします。
 我が党が昨年の総選挙で公約をいたしました有料道路の無料化は、大変多くの方から支援の声をいただきました。有料道路の無料化は、県民生活や千葉県を含めた地方の経済発展に大いに寄与するものと思っております。特に堂本知事は千産全消をテーマに千葉県ブランドの確立、そして売り込みに力を入れておりますが、有料道路の無料化は千葉県の工業製品や農産物、畜水産物の消費地への流通コストや時間コストを減らし、工場等の千葉への移転促進など大いなる効果が期待されます。また、観光立県千葉を目指す県にとっても格好の材料となります。このテーマは千葉県だけでは解決できるとは思っていませんが、観光立県を目指し、アクアラインを抱えている千葉県としては、大いに訴えてよいテーマではないかと思っています。千葉県活性化のためにも、アクアラインを含めた有料道路の無料化に積極的に取り組む必要があるのではないでしょうか。知事のお考えをお伺いをいたします。
◯磯貝正尚農林・水産部長
 それでは、私からは観光立県千葉の推進に係りますグリーン・ブルーツーリズム3点についてお答え申し上げます。
 まず第1点が、グリーン・ブルーツーリズムをビジネスとして確立するためには、県はどのような支援策を考えているのかということでございますが、グリーン・ブルーツーリズムをビジネスとして確立するためには、魅力ある地域資源の充実を図るとともに、より多くの都市住民が農山漁村を訪れるようにすることが重要だと考えておるところでございます。そこで、多くの都市住民に来訪していただくため、県では、県内6エリアに地域グリーン・ブルーツーリズム推進協議会を設置し、1つとして、地域資源を生かした体験モデルコースづくり、2つとして、体験できる農園や都市住民と農業者との交流施設整備、第3点として、ホームページによる情報発信などの施策を展開し、地域の魅力あるグリーン・ブルーツーリズムの振興を図っておるところでございます。さらに本年度は、モニターツアーや異業種との交流、商談会などを実施いたしまして、観光業、旅行業との交流提携を進め、ビジネスチャンスの創生に向けて支援してまいりたいと存じております。
 第2点目が、県外から訪れる多くの方々が、千葉県産品を買って帰るシステムを確立すべきと思うが、どうかということでございますが、県では多くの方々に千葉県産品を買っていただくため、昨年、地域の特産品を販売する道の駅や直売施設などの30の交流拠点施設の組織化を図ったところでございます。今後は、この組織を活用し、地域の魅力ある特産品のPRキャラバンを実施するとともに、体験型観光と直売所をセットにしたルートの開発やインターネットを活用した販売方法などのシステムづくりを支援することにより、生産者の顔が見える販売システムの構築に資してまいりたいと存じております。
 3点目でございますが、県は、参加型観光として農林・漁業体験などをどのように推進していくのかということでございますが、グリーン・ブルーツーリズムの推進に当たりましては、しゅんの味や風景を楽しむことに加え、多くの方々に多様な農林・漁業体験に参加していただくことが重要と考えております。これまでに地域におきましては、1つとして、イチゴ、ナシ等の収穫や米づくりなどの農業体験、2つとしまして、炭焼きなどの林業体験、地びき網やすだてなどの漁業体験などが行われているところでございますが、県では、本年度から都市住民や観光事業者等に実際に体験、参加してもらいながら、新たな魅力ある農林・漁業体験コースメニューづくりを支援してまいります。さらに、人材の育成が重要であると考えておりますので、豊富な経験を有する地域の人々の活用や体験交流インストラクターの養成に取り組み、受け入れ体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。


平成15年2月定例会(第2日目) 2003.02.19
○加賀谷
 里山の保全、整備及び活用の促進に関する条例についてお伺いいたします。
 このテーマについては、私が平成10年の9月議会で質問した内容が採用されており、条例化され提案されたものであり、大いに評価をしている1人でございます。そのときの質問で、私は、谷津田と里山の風景は、我が千葉県の原風景であり、そこは谷津があって、台地があって、平野があって、川があって、そして海が見える。谷津では水田、台地では畑、斜面には森林が生い茂る風景であります。この環境は長い時間をかけて形成された人工的なものであり、手入れが必要であります。今こそ里山の保全、整備に取り組むべきであるということを主張させていただきました。このことが取り入れられたのが今度の条例だと思っております。
 私は今─きょうも傍聴に来ておりますけれども、仲間の皆さんと一緒に長南町で地元の農業者の皆さんと一緒になって、30年間以上放置され荒廃した谷津田の復元、再生に取り組んでおります。昨年、そして一昨年と千葉県農業試験場交配の酒造好適米である若水、あるいは総の舞を植えつけて、できた米を御宿の造り酒屋さんでお酒にしていただいております。これは名前が大変長いんですけれども、限定有機無農薬純米吟醸生酒山廃仕込という名前をつけて、飲んで楽しんでいるわけでございます。参加者の多くは、ふだん全くくわやかまに縁のない人たちであります。こういう人たちが作業をするわけでありますから、大変なことでしたけれども、みんなが和気あいあい、楽しい中で一生懸命作業を続けて稲刈りを迎えているわけでございます。ことしもまた挑戦をすると新たな決意に燃えているわけでございます。この経験を踏まえ、里山の保全・整備・活用についてお伺いいたします。
 ある人は、里山は何もしないで放っておくことが自然保護だという方もおりますけれども、時代錯誤も甚だしいと思います。先ほども申し上げましたが、里山は先人たちの苦労のたまものであり、人手をかけなければ、ただの荒れ地となってしまいます。早急に手をつけなければならない状況にあることを考えれば、今回の提案は遅きに失する感がないわけではありませんが、評価をしたいと思います。具体的な取り組みを含めた、この条例に対する知事の思い入れを、先ほども語られておりましたけれども、再度お聞かせをいただきたいと思います。
 この条例では、活動を行う団体が土地の所有者と協定を締結し知事の認定を受けるとしておりますが、土地の所有者の不安を考えれば当然のことかもしれませんが、これでは多くの団体が参加することは期待できないのではないでしょうか。当面は県や市町村が所有する土地での展開を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。私の経験では、ただ単に田を耕す、山の伐採をすることだけではなくて地元の農家の方々との交流が大事であり、彼らの指導なくしてはできないことだろう、こう思っています。地元の人たちも、そのことを望んでいると思いますので、地元の方々を含めた市町村と一体となった取り組みが求められると思いますが、具体策をお伺いいたします。
◯堂本暁子の答弁
 民主・未来の加賀谷健議員の代表質問にお答えいたします。
 では、次に里山の保全、整備及び活用の促進に関する条例についてお答えを申し上げます。具体的な取り組みを含めたこの条例に対する知事の思い入れはどうかとの御質問です。今、議員の御質問の中に、御自分の経験─お酒も御宿でつくられたということで、むしろ実践しておられる方に私の思い入れというのも、何か僣越な気がいたしますけれども、私は私なりに大変思い入れがございます。それは、本県の房総丘陵、その房総丘陵に本当に網のように、あるいは毛細血管のように、そこに水が川なり、あるいは谷津という形で広がっている。まさに県内は里山そのものだと思います。例えば南北アルプスですとか、あるいは白神の原生林のような、そういう自然とは違う、千葉の、房総の、もっと人の手の入ったやさしい自然こそが、千葉の里山であると私は思っております。しかし、生活様式の変化などによって多くの森や林が荒れており、かつての里山を取り戻そうとする県民の意識が高まっております。これは多分、議員も私も荒れていることに対しての悲しさとか、それから、同じように県民の皆さんがそのことを思っておられるのだと思うのです。そこで、県民と一体となって里山の保全活動を幅広く展開するために条例を制定しようとするものです。私はこれを21世紀の緑づくりの第一歩と考えておりまして、里山の整備が円滑かつ広範に定着するように、県による技術的、財政的支援はもとより里山活動団体、土地所有者双方が参加できる仕組みを設け、里山先進県を目指していきたいと考えています。
 当面は県や市町村が所有する土地での展開を検討すべきと思うが、どうかとお聞きになりました。県内における里山の大部分は、実は民有地でございます。その上、その整備や活用に当たっては所有者の意向や活動団体の目的もさまざまであることから、両者が安心して取り組めるよう合意形成を図ることが必要です。それは保全のために働きたいという方たちと、それから所有者との間の合意形成が必要ということですけれども、そこで、本条例では相互の合意形成に基づき、区域、あるいは期間、内容などを定めた里山活動協定を締結する仕組みを設けたもので、協定により里山活動がなお一層円滑に進むよう努めてまいります。近所の山が大変荒れているから、ぜひみんなで力を出して保全したい。しかし、地主さんはだれなのかわからないとか、そういったようなケースもあると伺っています。この協定があることによって、きちっとお互いに知り合いながら里山の保全の仕事ができるようにということでつくり上げられたものでございます。なお、県では速やかに先導的な取り組み事例を示すために、平成15年度から市原市内の県有林を本条例に基づく実践活動の場として提供してまいります。
 では、次の御質問ですけれども、地元の農家や、それから市町村と一体となった取り組みが求められているが、具体策はどうなのかということでございますが、里山周辺地域には地域の人々が長年築き上げてきた知恵や技術、歴史や習慣が根づいています。特に林業を営んできた方たちは、そうだと思います。このため里山活動の参加者は─里山活動の参加者というのは、ボランティアをしたり、あるいは作業をする方の方ですが─これらを十分に学ぶとともに、みずから活動内容について地域住民などの理解と協力を得ながら取り組むことが必要です。県としては市町村と連携し、里山活動参加者と地域住民が活動場所や内容の検討段階から協調して取り組むよう指導するとともに、里山に関する知恵や技術を地元の農家や、林業の方もそうですが、学ぶ講習会の開催などを通じて技術の伝承、あるいは地域と一体となった里山活動の促進を図ってまいります。
 私からは以上で、あとは副知事と担当部局長からお答えいたしますが、一言、大変熱心に高齢者問題に触れられましたので、申し上げておきたいのですけれども、ユニットケアにおける個室化、これは決して個室を並べるだけの施設にするのではなく、そこには10人なら10人のユニットをつくって、その方たちが一緒に過ごせる今のようなところをつくるわけでございます。言ってみれば第2の家庭の茶の間のような集まり場所をつくるということで、1人でいたいときは1人でいる、そうじゃないときは茶の間で皆さんと楽しく過ごしていただくというようなにしたい。それをユニットケアという言い方をしておりますので、ぜひそこを御理解いただいて、そして施設と、それから地域と多様な選択ができるような形での新しい福祉のあり方を今後も模索し、実現していきたいと考えております。
 以上でございます。
◯加賀谷の再質問
   それから、里山の件ですけれども、私の経験から言って、1つは農業観光という面でも大変大きな効果が得られる部分。知事は観光立県を目指す。私もそのとおりだと思いますので、農業を観光化していくということでは大変役立つ。東京湾横断道路を渡ってきたら千葉は宝の山だよ、こういうことを言った人もいるわけでありますから、ぜひともこの辺への取り組みをしていただきたい。私どものつくった酒、知事に差し上げましたけれども、飲んでいただけたかどうかわかりませんが、結構いろんなことをすると楽しいわけでございますので、これらを観光と結びつけていく。里山というものをぜひ東京の人、神奈川の人にも、千葉県へ来ればこういう楽しいことができますよというPRをすることも大事だろうと思いますので、ぜひともこの里山の整備というものに積極的な取り組みをしていただきたい。
 先ほど申し上げましたけれども、やはり民有地を借りていくという部分では、貸す方に大変に抵抗が出るのではないかと思いますので、この辺への担保というのが行政として大事だろうと思います。知事も答えておりましたけれども、そういう取り組みをお願いしたいと思います。


平成13年6月定例会(第3日目) 2001.06.21
○加賀谷
  市民参加による農園づくりについてお伺いをいたします。
 いわゆる市民農園であります。最近、大変注目をされてまいりました。市民農園の活動は、さまざまな政策手段として大いに注目をされております。我が国では、戦前に市民農園運動が誕生した記録があると聞いておりますが、今日の市民農園は、昭和45年前後にようやく誕生しております。そして市民農園整備促進法が、ヨーロッパから見ますと、およそ100年ほどおくれて1990年に成立し、市民農園の発展普及の基礎が整ってきております。本県においても、平成4年に、趣味の園芸を実践するとともに、土を介したコミュニティー活動を展開する場を確保し、あわせて都市の緑地を保全する、このことをテーマに千葉県クラインガルデン研究会が誕生し、地味ではありますけれども、確実な活動を続けております。
 さて、インターネットで市民農園という項目を検索いたしますと、1年ほど前までは十数件しかありませんでしたけれども、最近では6,000件ぐらいが出てくるほどになっております。千葉市でも、市の外郭団体である園芸協会に加入をして千葉市の補助を受けている市民農園が25カ所、2,909区画、1,470世帯が利用していると聞いております。全国各地では市民農園開設や農園活動の動きが活発化し、それに対する自治体の積極的な関与や支援等の動きが見られておりますが、本県の動きはいまひとつ弱いように感じられてなりません。首都圏に立地し、巨大な都市地域を抱えながらも全国第2位の農業県である本県は、都市環境に農地を積極的に生かすべき要素を多く持っております。
 一方、循環型の社会構築、都市・農村の一体化、耕す空間の環境空間としての活用、耕すことによる生涯現役を目指した福祉社会の実現に、市民農園は政策手段として多面的に活用できる内容を持っていると思います。
 以上の状況を見るとき、県政の中で市民農園をもっと積極的に取り上げるべきと考え、質問させていただきます。
 まず、農業政策の面からお伺いいたします。
 先ほど申し上げましたように、全国第2位の農業県であります。野菜生産は全国一を誇っておりますが、反面、農業生産の過剰基調と農業経営者の高齢化のため、県下各地に多くの遊休地が存在しているのも現実であります。一方、農産物を消費する側では、より安いものを求める傾向が強く、自給率は野菜を含め低下しており、農業に対する国民的理解度は欧米先進国に比べて低いと言われております。
 そこでお伺いをいたします。
 耕作放棄地対策や県所有の遊休地対策の一環として、千葉県にふさわしい体験農園や市民農園をつくり、食生活や食文化を見直す体験をさせることなどは大いに意義があると思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。
 次に、複合的な効果を期待したモデル農園づくりについてお尋ねをいたします。
 ヨーロッパ諸国の市民農園の状況を視察してきた人の話ですが、市民農園が市民生活の中に定着し、用地は土地利用計画上の都市の緑として位置づけられ、人々が常に行き交い、都市公園の一部として市民が日常的に管理を行っており、幹線道路や鉄道のわきに見事な緑地を形成しているとのことであります。このような市民農園を取り囲んだ都市公園は、絶えることのない人々の動きで活気があり、部分的であっても、市民が参加した公園管理となり、美しい景観を形成しているということであります。
 また、これからの時代は、ますます高齢化の進む社会となり、人々の健康で生きがいのある生活づくりが大切になります。特に障害者やリハビリを必要とする方々にとって、園芸作業が効果的であると聞いております。ヨーロッパでは、市民農園を利用していたから、80歳、90歳まで元気でいられたとか、スウェーデンを初めとする各国でプランタータイプの区画を含む市民農園が普及をし、車いすの方たちが健常者と一緒にガーデニングを楽しんでいるということであります。
 このように、市民農園は都市施策、環境施策、福祉施策の面からも有効であり、コミュニティ機能や学習・教育機能まで含む多面的な生活領域の空間であり、その利用者である市民の力を効果的に生かせるものであります。
 そこでお伺いをいたします。ぜひとも市民及び市民団体と行政が力を合わせて複合的な効果を期待したモデル農園づくりに取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。
 次に、里山・棚田の保護と市民参加についてであります。
 里山・棚田は、都会の人がおいしい作物を食べ、水の源流を味わい、四季の移り変わる景色を楽しみ、あすへの糧を養うことのできる欠かせない存在です。特に棚田に対する関心は大変に高く、鴨川大山地区の棚田の耕作希望者は抽せんになるほどの状況だったと伺っております。実は私も仲間と休耕田を借りて、県がつくった酒造米であります若水というのを田植えをして、そして稲刈りをし、それを造り酒屋さんに持ち込んでお酒をつくって飲もうではないかという会に参加をしておりますが、1万2,000円の会費を払った人は50人も集まってまいりました。本当に多くの人がこういう稲作、あるいは畑に興味を持っているわけであります。  こういう土地は、アクアラインを渡ってくる東京から見て、アクアラインの先にはまさに宝の山として眠っているわけであります。ゴルフ場の客だけの受け入れでは悲し過ぎはしないでしょうか。中山間地の一角にこうした里山・棚田が多くあります。市民参加により、保護を含めた中山間地対策として大いに期待できると考えますが、これらに対する御所見をお伺いいたします。
◯大槻幸一郎副知事の答弁
 私からは雇用の問題、市民参加による農園についての御質問、そして自動車公害につきましてお答え申し上げたいと思います。  次に、市民参加による農園についての御指摘でございます。
 まず第1点目に、体験農園とか市民農園、いわゆるクラインガルデンにつきましての御指摘でございます。平成2年の6月に市民農園整備促進法が定められましたことによりまして、県でも平成3年の3月に千葉県市民農園整備に関する基本方針を策定してございます。これによりまして、遊休化しております農地の有効利用を含めまして市民農園の整備に努めてきているところでございまして、平成13年の3月末現在でございますが、これまで125カ所、面積で約40万4,000平方メートルが市民農園に提供されているところでございます。今後とも都市住民が手軽に利用し、作業とか収穫を家族そろって楽しめるよう、地域の立地条件も考えまして、この市民農園の整備促進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、市民や市民団体と行政の連携による、いわゆるモデル農園づくりについての御指摘でございます。市民農園は、申し上げましたように、家族との団らんもひっくるめまして幅広い活用ができるわけでございますが、都市住民のレクリエーションとか自家用野菜の生産にとどまらず、高齢者の生きがいづくりなどもひっくるめて開設しているところでございまして、御指摘ございましたような都市政策とか環境政策、さらには福祉政策というような総合的な政策面から、この設置の効果が有効に期待できるというふうに考えておりまして、今後、市民の多様なニーズに基づくというような視点から、関係方面、さらには地域の市町村とも十分意見を交換しながら、その設置の可能性について検討してまいりたいというふうに考えております。
 次に、里山・棚田の保護が、いわゆる中山間地域の対策として期待できるのではないかというような御指摘でございます。県といたしまして、里山・棚田などの持つ自然環境の保全機能の維持、これが極めて重要というふうに考えておりまして、里山に関しましては、森林所有者と地域のボランティアが一体になって整備を行っていくまちの杜再生運動サポート事業とか、里山を主な活動場所としているみどりのボランティアの育成を行ってきているところでございます。一方、棚田につきましては、中山間地域などの直接支払い制度を利用することによることとあわせまして、鴨川市大山千枚田の取り組みに見られますように、都市住民との交流を推進しながら活用しているところでございます。今後とも豊かな農村資源を活用した都市住民との交流を通じまして、里山・棚田の保全、地域の創意と工夫に富んだ取り組みを積極的に支援してまいりたいというふうに考えています。まさに御指摘ございましたように、アクアラインの先に棚田が見えるというような、すばらしい房総地区の自然環境を十分利用した検討も必要ではないかというふうに考えております。


平成10年9月定例会(第6日目) 1998.10.07
○加賀谷
 二次的自然環境の保全についてお伺いをいたします。
 これは、里山と谷津田の保全について今回はお伺いをしたいと思います。この谷津田と里山の風景を外国人はとても美しく豊かな自然だと言ってほめるそうですあります。谷津があって、台地があって、平野があって、そして海がある風景です。谷津では水田、台地では畑、斜面を中心に森林がある風景です。この環境は長い時間をかけて形成された二次的なものなのです。人が自然の力を生かして耕作が営まれてきた水田は、水田に水を補給する用水路、水源を潤す林やため池、栽培のために必要な環境とともに、水生生物を初めとした生物に生息の場を提供してきました。
 しかしながら、昨今のゴルフ場開発や住宅地への転換の進行等に伴い、市街地周辺部等においては、里山と言われる二次的な自然環境が減少しつつあります。今、この二次的な自然環境の保全が大きな課題となってきております。こうした二次的な自然環境は人と自然の長期にわたるかかわり合いの中で形成されてきましたが、近年は経済的要因を初め、さまざまな要因により人のかかわりを維持し続けるのが困難な状況となってきております。
 そこで、今回はこの二次的自然の一つである里山と谷津田についてお伺いをしていきたいと思います。
 里山とは人里近くにある生活に結びついた山のことであり、かつては里山の重要部分を占める雑木林は、水田を肥沃にする腐葉土の供給地であったり、また樹木は二十年、三十年に一度伐採してまきや炭にされておりましたが、六十年代の高度経済成長期以来、石油、プロパンガスなどの化石燃料がまきや炭にかわって定着しました。また、堆肥は化学肥料に駆逐され、ついに農業の現場では雑木林の存在価値が失われてしまいました。その結果、雑木林は都市近郊では開発用地として破壊され、放置され、人も踏み込めぬやぶとなり、やがてはシイ類やカシ類から成る常緑広葉樹林に変化し、落葉広葉樹が姿を消してしまい、一層小動物が住みづらい状態になつております。身近な自然という点では、里山の二次林はレクリエーションの場や自然探検の場として大いに価値があるものだと思います。また、新緑や紅葉などの季節の変化を感じ、昆虫や野鳥などの小動物も多いなど、すぐれた自然を有しております。
 谷津は地方によっては谷戸、谷地とも呼ばれております。谷津はかつて海の入り江であり、海が退いて陸地になり、谷間の低地は湿地となりました。そして、今から二千年ほど前に谷津の湿地は人々によって水田として利用されるようになったのだそうであります。谷津に開かれた水田が谷津田と呼ばれ、その周りに多くの集落ができて生活が営まれてきました。谷津田と里山は一体のものであり、この自然は私たちの貴重な財産であり、次世代に受け継いでいくことは、今に生きる私たちの使命だと考えます。
 そこでお伺いをいたします。
 県としてこの世界的にも貴重だと言われている里山の保全・管理にどのような取り組みをしてきたのか。また、今後どのように対応しようとしているのかお伺いをいたします。
 谷津田の保全のためには、ある学者は、現在、盛んに行われている土地改良事業によるほ場整備を制限しなければ無理であると言っております。ほ場整備の歴史を見ますと、昭和二十四年の土地改良法の制定以来、耕地の面積が十アール区画から三十アール、そして、昭和六十一年、五十アールを標準として大区画へと取り組みがされてまいりました。現在はガット・ウルグアイ・ラウンドへの対応策として一ヘクタール化へと変化しております。このような状況では永久にほ場整備をしていくようなことになりかねないと思います。今は減反の時代です。ほ場整備のあり方を再検討してもよいのではないでしょうか。千葉県の地形の特性を生かしたほ場整備を目指すべきだと思います。すべて水路をコンクリートでつくるのではなく、自然にやさしい、「春の小川」や「めだかの学校」「どじょっ子ふなっ子」が自然と口ずさめるような環境にやさしいほ場整備があってもよいと思います。いかがでしょうか、県の考えをお伺いいたします。
 みどりの基本構想の中には、ふるさとの自然環境の保全とあります。これはまさに谷津田と里山の保全だと思います。  具体的な展開はどのようになっているのかお伺いをいたします。
 県では、ボランティアによる緑づくりを支援するみどりのボランティア推進事業がありますが、登録者は四百六十四名、実践活動への参加者は三百五十五名と聞いております。イギリスでは、ある市民団体がみずから数十ヘクタールから数百ヘクタールの保護区を所有し、国や地方自治体からの補助金や企業、個人からの寄附を得て、一週間の合宿や日帰りで草刈りや伐採活動に参加させ、そこでの参加者同士の交流が盛んに行われているとのことであります。千葉県もみどりの基本構想の中で県民参加による緑づくりを掲げております。県民がボランティアとして草刈りなどに参加し、会員同士の交流を図るとともに、里山の保全が図られればよいと考えますが、こうしたことへのみどりのボランティアの活動の展開についてどのように考えているのかお伺いをいたします。
 県は中央博物館の分館として山の博物館、海の博物館構想を長年温めており、その一つの海の博物館は、現在、建設中でありますが、山の博物館はいまだ進んでおりませんが、聞くところによりますと、場所は清和県民の森の地域内に計画されているとのことであります。県民が山に散策で接することも大切ですが、木を切り、まきをつくり、それで煮炊きをして生活するような里山に接するフィールドも必要だと思います。家族や各種団体単位で参加できるものにすべきと考えます。大きな建物を建てるのではなくて、里山の自然に触れる場として早急に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。
◯齊藤市衞農林・水産部長の答弁
 私からは二次的自然の保護につきましての御質問のうち、三点についてお答えいたします。
 まず、里山の保全管理にどのような取り組みをしてきたのか、また、今後どのように対応しようとしているのかとの御質問でございますが、里山は農山村の豊かな景観を形成し、多種多様な野生生物の生息空間や自然との身近な触れ合いの場として重要な機能を有していると考えております。県では平成四年にみどりの基本構想を策定しまして、自然にやさしい活力ある田園の創造を目指しまして、里山林の保全・活用を図ることとしたところでございます。このため造林事業等による間伐の推進やシイタケ原木の利用促進を進めるほか、地域において重要な森林を積極的に保全するため、みどりのアメニティー整備事業、まちの杜(もり)再生活動サポート事業並びに県民の森整備事業などを実施しているところでございます。今後とも市町村や森林所有者とも連携しながら、これら施策の一層の推進を図りまして、里山の保全、活用に努めてまいりたいと考えております。
 次に、谷津田の保全のためには、環境にやさしいほ場整備があってもよいのではないかと思うという御質問でございますが、ほ場整備につきましては、農振農用地区域を対象に営農労力の節減、生産性の向上、農業経営の安定化などを目的としまして事業を実施しているところでございます。これら事業を実施することによりまして、農地としての耕作が続けられ、谷津田の荒廃防止にも寄与していると考えております。近年、身近な環境に対する関心が高まる中、農業農村整備事業においても環境に配慮した整備が求められておるところでございます。本県におきましても、画一的なコンクリート護岸等による整備ではなく、木さくや石積み等の自然にやさしい工法を試みているところでございます。県としても、今後も国や関係機関の研究成果などをもとに技術の蓄積に努めまして、環境に配慮したほ場整備の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、里山の保全等へのみどりのボランティアの活動の展開についての御質問でございますが、里山などの身近なみどりを良好に保全するためには、森林所有者の理解と協力に加えまして、保全活動を行うボランティアなどによる支援が必要でございます。県では、県民参加によるみどりづくりを推進するため、平成八年度からみどりのボランティアの制度を設けまして、これに登録した会員について作業方法等を指導しますとともに、草刈り、間伐などの実践の場を提供しているところでございます。今後、これらみどりのボランティアの技術の向上や中核的な指導者の育成、組織化に努めますとともに、みどりのボランティアが里山の所有者との結びつきを強めまして、県、市町村と一体となって里山の保全・管理への取り組みが行われるよう、活動の展開を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◯加賀谷の再質問
 いろいろ答弁をいただきましてありがとうございました。二、三御要望を申し上げて終わりたいと思います。
 一つは里山についてでございます。たまたまけさの読売新聞に柏で酒井根下田の森ということで、ふくろうの森を里山公園にしようということで柏市が土地の所有者等々と契約して、整備事業をスタートさせる。見出しは「昔ながらの農村風景を復元しよう」ということで、タイミングよくこんな記事が載っておりました。私はまだこの中身がよくわかりませんけれども、これはまさに里山と市民との接点になるのではないかと思います。今、教育長の答弁にもありましたように、そういう接する場をつくっていきたい、山の博物館の中で検討していきたいという話がございました。
 高齢化の時代でございます。多くの暇な老人といっては過言でありますけれども、多くの余裕のある方が出てくるわけでございますから、こういう人たちのためにも、自然の中で木を切ったり、炭を焼いたり、畑を耕す生活を求める人も多いのではないかと思います。長期滞在型あるいは青少年、労働団体等による短期滞在型、いろいろな選択があると思いますが、私は新しいリゾートとして検討してもよいのではないかと思います。もしこれらが実現できるならば、谷津田や里山を守る環境レンジャーということで、農業従事者の高齢者の方に新しい就労の場をつくることもできるのではないかと思います。これは私は新しい産業として大いに魅力のあるものだと考えております。ぜひそういう面での里山と谷津田のあり方というのも検討していただければ幸いだと思います。



千葉県里山の保全、整備及び活用の促進に関する条例


 六百万県民時代を迎え、私たちは、房総の恵まれた自然を生かし、県民一人ひとりが健康で文化的な生活を享受できるよう、人と自然とが共生する豊かな環境の創造に努めていかなければならない。 とりわけ先人の英知とたゆまぬ努力とによって、人と自然との営みが調和しつつ、維持されてきた里山は、県民にとってかけがえのない貴重な財産である。 こうした里山は、多様な生き物の宝庫であるとともに、森林、谷津田、水辺等が一体となって美しい景観を形成しているが、近年、生活様式や農業生産方法などの変化により、人との関わりが薄れ、その良さが失われつつある。 そこで、県、市町村、県民等が協働して、環境の世紀にふさわしい、人と里山との新たな関係を構築し、次代に引き継ぐため、ここに千葉県里山の保全、整備及び活用の促進に関する条例を制定する。

(目的)
第一条 
この条例は、里山の保全、整備及び活用について、基本理念を定め、県の責務並びに県民、里山活動団体及び土地所有者等の役割を明らかにするとともに、里山の保全、整備及び活用を促進するため必要な支援等を行うことにより、里山の有する環境の保全、災害の防止、良好な景観の形成、余暇及び教育に係る活動の場の提供、伝統的な文化の継承等の多面にわたる機能が持続的に発揮されるようにし、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保並びに活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条 
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 里山 人が日常生活を営んでいる地域に隣接し、又は近接する土地のうち、人による維持若しくは管理がなされており、若しくはかつてなされていた一団の樹林地又はこれと草地、湿地、水辺地その他これらに類する状況にある土地とが一体となっている土地をいう。
二 里山活動団体 里山の保全、整備及び活用に係る活動を積極的かつ主体的に行う特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他の営利を目的としない団体をいう。
三 土地所有者等 里山の所有者又は里山を使用収益する権原を有する者をいう。

(基本理念)
第三条 
里山の保全、整備及び活用は、里山の有する環境の保全、災害の防止等の機能はもとより、良好な景観の形成、余暇及び教育に係る活動の場の提供等の多面にわたる機能が積極的に評価されるべきことを旨として、行われなければならない。
2 里山の保全、整備及び活用は、里山の有する地域における伝統的な文化が将来の県民に継承されるべき重要な財産であることについて認識されるべきことを旨として、行われなければならない。
3 里山の保全、整備及び活用の促進が図られるためには、県民、里山活動団体及び土地所有者等が積極的かつ主体的に活動することが不可欠であることを旨として、行われなければならない。
4 里山の保全、整備及び活用は、県及び市町村並びに県民、里山活動団体及び土地所有者等が、それぞれの役割の適正な分担の下に協働すべきことを旨として、行われなければならない。

(県の責務)
第四条 
県は、前条に規定する里山の保全、整備及び活用についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、里山の保全、整備及び活用に関する総合的な施策を定め、及び実施するよう努めなければならない。
2 県は、基本理念にのっとり、市町村と連携して、県並びに県民、里山活動団体及び土地所有者等が一体となった里山の保全、整備及び活用に係る活動を推進するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
3 県は、基本理念にのっとり、市町村と連携して、県民、里山活動団体及び土地所有者等に対し、里山の保全、整備及び活用の促進を図るために必要な広報活動の充実その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 県は、基本理念にのっとり、市町村が実施するその地域の実情に応じた里山の保全、整備及び活用に関する施策の支援に努めなければならない。

(県民の役割)
第五条 
県民は、基本理念にのっとり、里山の保全、整備及び活用についての関心及び理解を深めるとともに、里山の保全、整備及び活用に係る活動に協力するよう努めるものとする。
2 県民は、基本理念にのっとり、県が実施する里山の保全、整備及び活用に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(里山活動団体の役割)
第六条
 里山活動団体は、基本理念にのっとり、里山が継続して人による維持又は管理がなされることにより保全が図られることについて深く認識し、継続して里山の保全、整備及び活用に係る活動を行うよう努めるものとする。
2 里山活動団体は、基本理念にのっとり、県が実施する里山の保全、整備及び活用に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(土地所有者等の役割)
第七条 
土地所有者等は、基本理念にのっとり、里山の保全、整備及び活用が図られるよう努めるものとする。
2 土地所有者等は、基本理念にのっとり、県が実施する里山の保全、整備及び活用に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(里山の日)
第八条 
県民の間に、広く里山の保全、整備及び活用についての関心及び理解を深めるとともに、積極的に里山の保全、整備及び活用に係る活動に参加する意欲を高めるため、里山の日を設ける。
2 里山の日は、五月十八日とする。
3 県は、市町村と連携して、里山の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。

(里山基本計画)
第九条
 知事は、里山の保全、整備及び活用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、里山の保全、整備及び活用に関する基本的な計画(以下この条において「里山基本計画」という。)を定めなければならない。
2 里山基本計画は、次の各号に掲げる事項について定めるものとする。
一 里山の保全、整備及び活用に関する施策についての基本的な方針
二 里山の保全、整備及び活用に関し、総合的かつ計画的に講ずべき施策
三 前各号に掲げるもののほか、里山の保全、整備及び活用に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、里山基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

(県民の意見の反映)
第十条
 知事は、里山の保全、整備及び活用に関する施策に県民の意見を反映させるため、インターネットの利用その他の方法により、里山の保全、整備及び活用に関する施策について広く県民の意見を聴くものとする。

(公共事業の計画又は実施に当たっての配慮)
第十一条
 県は、公共事業を計画し、又は実施するに当たっては、里山の保全との調整について適切に配慮しなければならない。

(県民の関心及び理解を深めるための措置)
第十二条
 知事は、里山の保全、整備及び活用の促進についての県民の関心及び理解を深めるため、里山の保全、整備及び活用に関する広報活動の充実、学習の機会の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(県民が参加する機会の提供)
第十三条
 知事は、里山の保全、整備及び活用に係る活動を促進するため、県民が参加する里山を利用した行事の実施その他の県民が里山を利用した活動に参加する機会の提供を行うものとする。

(調査及び研究)
第十四条 知事は、里山の保全、整備及び活用を効果的に促進するため、里山の保全、整備及び活用の方法に関する調査及び研究を行うものとする。

(財政上の措置)
第十五条 
知事は、里山の保全、整備及び活用に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(里山活動協定の締結及び認定)
第十六条 
里山活動団体(法人でない社団又は財団である場合は、その代表者又は管理人。第三項、第十八条第一項、第十九条第一項及び第二十条第二項において同じ。)は、積極的かつ主体的な里山の保全、整備及び活用に係る活動を行おうとする場合は、当該活動を行おうとする土地の区域における土地所有者等と、里山の保全、整備及び活用に係る活動に関する協定(以下「里山活動協定」という。)を締結し、当該里山活動協定が適当である旨の知事の認定を受けることができる。
2 里山活動協定においては、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。 一 里山活動協定の目的となる土地の区域 二 里山活動協定において里山活動団体が行う里山の保全、整備及び活用に係る活動に関する事項 三 里山活動協定の有効期間 四 里山活動協定に違反した場合の措置 五 その他必要な事項
3 里山活動協定については、当該里山活動協定に係る里山活動団体及び土地所有者等の全員の合意がなければならない。

(里山活動協定の認定の申請等)
第十七条
 知事は、前条第一項の認定の申請が次の各号のいずれにも該当するときは、同項の認定をしなければならない。
一 申請の手続又は里山活動協定の内容がこの条例及び他の法令に違反するものでないこと。
二 里山活動協定の目的となる土地の区域が道路、公園その他の公共の用に供する施設の予定地である区域でないこと。
三 里山活動協定の内容が里山活動協定の目的となる土地の利用を不当に制限するものでないこと。
四 里山活動協定の内容が里山の保全、整備及び活用の促進に資すると認められるものであること。
五 里山活動協定に係る活動が継続して行われると認められるものであること。
2 知事は、前条第一項の認定をしようとするときは、あらかじめ、その認定をしようとする里山活動協定の目的となる土地の区域の全部又は一部が存する市町村の長に意見を聴かなければならない。ただし、当該市町村が同項の里山活動協定に係る里山活動団体又は土地所有者等である場合は、この限りでない。
3 知事は、前条第一項の認定をしたときは、規則で定める事項を公告しなければならない。

(里山活動協定の変更)
第十八条 
第十六条第一項の認定を受けた里山活動協定に係る里山活動団体は、当該里山活動協定において定めた事項を変更しようとする場合においては、当該里山活動協定に係る里山活動団体及び土地所有者等の全員の合意をもってその旨を定め、知事の認定を受けなければならない。
2 前条の規定は、前項の規定による変更の認定について準用する。

(里山活動協定の廃止)
第十九条
 第十六条第一項又は前条第一項の認定を受けた里山活動協定(以下「認定里山活動協定」という。)に係る里山活動団体又は土地所有者等は、当該認定里山活動協定を廃止しようとする場合においては、あらかじめその旨を知事に届け出なければならない。
2 知事は、前項の規定による届出があったときは、規則で定める事項を公告しなければならない。

(里山活動協定の認定の取消し)
第二十条
 知事は、認定里山活動協定が第十七条第一項各号のいずれかに該当しないものと認められるに至ったときは、当該認定里山活動協定の認定を取り消すものとする。
2 知事は、前項の規定による認定の取消しを行ったときは、その旨を、当該認定里山活動協定に係る里山活動団体及び土地所有者等に通知するとともに、規則で定める事項を公告しなければならない。

(里山活動団体の情報の提供)
第二十一条
 知事は、里山活動団体及び土地所有者等が協働して行う里山の保全、整備及び活用に係る活動を促進するため、里山活動団体の要望に基づき、里山の保全、整備及び活用を図ろうとする土地所有者等に対し、当該里山活動団体の情報を適切に提供するものとする。

(認定里山活動協定に係る活動に対する支援)
第二十二条
 知事は、認定里山活動協定に係る里山活動団体及び土地所有者等に対し、里山の保全、整備及び活用に関する助言及び講習会の開催その他の里山活動協定に係る積極的かつ主体的な活動を支援するために必要な措置を重点的に講ずるものとする。
(報告の徴収)
第二十三条
 知事は、認定里山活動協定に係る里山活動団体又は土地所有者等に対し、当該認定里山活動協定に係る活動に関する必要な報告をさせることができる。
(委任)
第二十四条 
この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則
この条例は、平成十五年五月十八日から施行する。